コア技術

コア技術Core Technologies

岡本硝子-3つのコアコンピタンス-

「硝材開発技術」「ガラス精密成型技術」「薄膜蒸着技術」3つのコア技術を進化させ、お客様の課題を解決します。

硝材開発技術 薄膜蒸着技術 ガラス精密成型技術

硝材開発技術

 特殊ガラスは主原料である砂と10種類以上の副原料を調合して作られます。その組み合わせは無限にあり、AI技術を駆使しても新しいガラスを生み出すのは難しいと言われています。目的の機能に合わせ、原料を選定し、組成を細かく調整し、溶融しては評価するという地道なトライ&エラーでしか生み出せないガラスのレシピは、会社にとってまさに門外不出の“秘伝のタレ“なのです。
創業者の岡本一太郎は、新しいガラス開発に非常に熱心でありました。その熱意は今日まで脈々と受け継がれ、これまでに高度な着色技術を用いた色ガラスや、高強度・高耐熱ガラスなど、多種多様な特殊ガラスを生み出してきました。

 現在は、この硝材開発技術を更に進化させ、ガラスに機能や付加価値を持たせた、機能性ガラスの事業を展開しています。例えば、ミリ波を透過するガラス材料や、水分や空気の侵入を防ぐ封止材料、異種材料を封着や保護する材料など、さまざまな高機能性を付与し提供しています。また、硝材技術に加え、粉体化・ペースト化・シート化技術による付加価値をお客様に提供しています。

硝材開発

 「今使っているガラスフリットを少しカスタムしたい」、「今まで使っていた製品が廃番になり代替品を探している」など、お客様の細やかなご要望に対し、小回りがきく開発・製品提案ができることが私たちの強みです。また、受託溶融や、粉体化・ペースト化・シート化工程の受託生産のご相談も承っております。

 90年を超える歴史の中で培った特殊ガラス開発のノウハウと“秘伝のタレ“を活かし、お客様の痒い所に手が届く、未来を見据えた硝材開発を行っています。

ガラスフリットをさまざまな形態で提供いたします

硝材開発

ガラス精密成型技術

 ガラスの成型方法には、プレス成型、ブロー成型、スピン成型、流し込み成型など、さまざまな方法がありますが、当社は1,200℃以上にもなる溶けたガラスを金型(下型)に直接供給し、上下の金型でプレスをする、ダイレクトプレスと呼ばれる製法でガラスを成型しています。溶けたガラスの熱が金型で奪われ、冷え固まることでかたちづくりますが、形状品質や表面品質などを損なわないよう、金型の温度とガラスの温度をコントロールすることが求められます。これらの温度管理やさまざまな成型条件を製品ごとに緻密に調整し、高品位な製品を提供できることが私たちの強みです。
また、このダイレクトプレスを応用したG-injection®製法では、樹脂成型のようにガラスに圧力を加え押し流すことで通常のダイレクトプレスでは難しかった両面形状や複雑立体形状をガラスで一体成型することが可能になりました。

ガラス精密成型

 もう一つ、製品をつくる上で非常に重要なのが金型です。金型材質の選定から、金型の表面処理、成型後の製品の変形(収縮等)を計算する金型設計技術と、成型後の金型の酸化被膜の除去を、職人が「手」「眼」「耳」の感覚を研ぎ澄ましながら微細形状を崩さずに磨くという金型研磨技術が当社のガラス成型を支えています。

 溶融炉は、ハンド炉(ツボ炉)と連続溶融炉の2種類の溶融炉を保有しています。ハンド炉は坩堝で溶融したガラスを職人が自由自在に巻き入れられるため、硝材選択や成型条件の自由度が高いといった特徴があります。主に照明器具のカバーガラスや洗濯機のカバーガラスなどを生産しており、500mm程度までの大型製品にも対応いたします。連続溶融炉は生産性に優れた設備で、より精度が求められる製品に対応し、主にフライアイレンズや非球面レンズ、異形レンズなどの照明光学系用ガラスレンズや反射鏡などを生産しています。

 精密成型技術は“ダイレクトプレスの岡本硝子”とも言える、当社を代表する創業当時からのコア技術であり、より高精度・高品位な製品を提供できるよう、技術開発を進め、多様化するお客様のニーズに応え続けます。

大小さまざまなガラス製品を成型で実現します

ガラス精密成型

薄膜蒸着技術

 蒸着技術は、高真空中で金属や酸化物などの蒸着材料を加熱し、蒸発した材料が基板に付着することにより、薄膜が形成される技術です。屈折率の異なる材料を交互に成膜することで、任意の光を透過させたり反射させたりすることができ、主に光学フィルタや意匠性の高い加飾コーティングとして使われています。
 当社では、1970年後半にガラスへの付加価値付与を目的に蒸着技術を取り込みました。現在ではグループ全体で40台以上の蒸着機を保有し、紫外から赤外までの幅広い波長帯域(200nm~10μm)に対応するさまざまな製品を提供しています。

薄膜蒸着

 私たちの強みは、お椀型、曲面、深型、筒型形状などの立体物にもナノメートル単位の薄膜を均一に、または意図的に不均一につけられる技術です。この強みを活かし、主に光学レンズや反射鏡への蒸着や、化粧瓶への加飾コーティングなどを手掛けています。
 また、高温高湿試験、塩水噴霧試験、耐摩耗試験などの信頼性評価装置に加え、分光光度計、SEM、XRD、エリプソメーターなどの分析機器を多数取り揃えており、不具合やうまくいかない原因を徹底的に解析し、お客様と一緒に解決策を考え、最適な改善案をご提案することを得意としています。近年では、非常に微小な形状物やさまざまな素材への蒸着、新しい意匠性の開発など、難しいご要望や開発案件にもカスタムメイドで積極的に取り組んでいます。

 お客様の課題を共に解決するパートナーとして、蒸着の更なる可能性を追求しています。

加飾から光学フィルタまでお客様に寄り添い提案します

薄膜蒸着

その他の技術

光学設計技術

 光学設計や配光シミュレーションに対応しています。お客様がイメージしている光学系をよりよい形で実現できるよう、「こんな照明配光になるレンズが欲しい」、「光学系の性能をシミュレーションで確認したい」などのご要望にお応えし、光学設計の段階から光学部品の製造まで、トータルでお手伝いします。